写真同じです
新潟県十日町にある友禅の老舗『関芳』が手掛ける留袖ブランド『ことほぎ』。こちらは日本の伝統的な色でもある朱色を基調に、品格漂う古典柄があしらわれているので、伝統を重んじる慶事のお席でも堂々と装うことのできる黒留袖です。金箔が惜しげもなく施された雲の上には、両端の飾り紐が優雅に描かれている檜扇が目に留まります。扇は末広がりに広がることから開運繁盛の意味を持つ吉祥文様ですが、両端に紐をつけた柄は檜扇紋と呼び、平安朝の貴族たちが愛好した王朝文化の象徴。より華やかさと気品を漂わせています。高貴な檜扇紋の中や周りには、菊・橘・紅葉・七宝・亀甲・松・梅・竹などの縁起の良い伝統柄がモダンなデザインで描かれていて、お着物の世界観を高める存在に。特に松・梅・竹を三つ揃えた文様を松竹梅文といいます。寒さの厳しい冬でも、それぞれ力強く美しく生きることから『歳寒三友』と呼ばれ、逆境においても節操を守る意味が込められています。人生の門出に相応しい柄であり、おめでたい吉祥文様の中でも格の高い柄です。気品ある色彩と吉祥文尽くしの文様が、伝統美も格式も尊重している黒留袖。着用しているだけで、晴れの日の祝福と慶びを表現してくれる一着です。